2024年度 基本方針

一般社団法人伊那青年会議所2024年度基本方針

俺たち

はじめに

   戦後、1949年に「新日本の再建は我々青年の仕事である。」と立ち上がった青年たちによって東京で青年会議所が設立されてから75年が経ちました。1968年には日本で383番目、長野県で10番目に伊那青年会議所(以下、伊那JC)が設立されました。以降、幾度となく困難を乗り越えて地域や子供たちへ奉仕活動を長年にわたって行ってきましたが2020年頃から猛威を振るった新型コロナウイルス感染症の影響により、日常生活や経済活動に対して未曾有の停滞がありました。今では、威力を弱め少しずつ規制も緩和されて以前のような生活に戻ってきたように感じます。ただ、本当に本来望むアフターコロナの形となっているのか。SNSやメールのみでの連絡で直接の人とのコミュニケーションの取れていないための意思疎通が十分に図れていなかったり、事務手続きに重きが置かれて現場での行動力や判断力について低下を感じます。JCを立ち上げた先輩の志をつないでいる我々に今できることはないでしょうか。単年度制でのJC活動・運動には限りがありますが、我々には先輩たちが築き上げてきた歴史があり、未来へつなげていく独自の力があります。青年としての若い力で、希望をもたらす変革の起点として、活気溢れる地域を築くため、将来を担う子供たちの育成のため、また地域を担っていく経済人となるために自己成長を志すことに力を注ぐことが使命であります。どことなく暗い雰囲気のある時に、若い力によって率先垂範して元気に前向きに地域課題と全力で向き合うことが地域に対して我々ができることだと考えます。そして、行政や他団体がやってくれるからという思いではなく「俺たち」がやる。という気概が必要です。

総務広報委員会 「俺たち」が伊那JCだ

   明るい豊かな社会の実現のためには、同じ志を持った仲間によるJC活動・運動が必要不可欠です。例会のウェブ開催や事業中止などメンバー間で直接交流をする機会が減少し、関係性の希薄化が進行しました。対面での開催が出来るようになったからといって自然と交流が取れる状態に戻ることはありません。対面での交流が図れない場合でも、SNSなどを使用してメンバーが普段何をしているか、どのような表情をするのかなどを共有してメンバー間の帰属意識の向上となる機会を創出する必要があります。また、毎年多くのメンバーが新たに入会いただいている中で、日頃使用しているJAYYCEEやJC動・運動、クリードなどの言葉に込められた想いや意義を共に再認識して組織力の強化が必要です。そして、メンバーだけではなく、地域住民や事業に参加していただいた方、家族、賛助いただいている方など多くの人からの協力をいただき伊那JCは成り立っています。幅広いメディアを使用して協力いただいている方へ感謝を伝えると共に、伊那JCについて認知度を上げることで応援していただく人を増やします。

青少年委員会 「俺たち」が子供を育てる

   子供は宝、地域で育てると言われています。タブレット端末やSNS等の普及などにより情報がとても身近になり、実際にその場へ行かなくても多くの体験や情報を得ることが出来るようになったので、地方の子供たちでも多くの学びの機会を受けることができるようになりました。一方、情報で溢れている中には危険が潜んでいます。子供たちに対して、情報について正しい知識を学ぶ場を創出することで、将来犯罪に関わることのない子供たちの環境を作る必要があります。そして、伊那JC圏域には自然の中で学ぶ環境が多くあり、この地域で子供を育てるには、この地域にある物や事に対して、我々大人が同じ場所、同じ時に同じ体験を通して学ぶことが必要です。大人が直接手取り足取りやるのではなく、一緒に体験を通して楽しそうな大人の姿を見せることにより、子供たちが自発的に気づきや発見、協力をして健全な成長を促します。

未来創造委員会 「俺たち」がやるまちづくり

   地方では、都市部への人の流出や少子化による人口減少の課題について長年取り組んでいます。地方から見た都市部、都市部から見た地方の見え方は異なり、この地域に住んでいない人は我々とは違った魅力を感じると思います。伊那JCがあるこの長野県南信地域には、近い将来リニア中央新幹線や三遠南信自動車道の開通による交通手段の変化が起こります。都市部への距離感が変わる中で、関係人口・交流人口が増える将来のまちづくりに備えて考える機会を作ります。また、個人のプライバシーに対する考え方の変化や核家族化が進み地域コミュニティの希薄化が進んでいます。まちづくりには人のつながりが必要であり、自分たちが住んでいる地域にはどのようなコミュニティや文化があるのかを知り地域への積極的参加の機会を作る必要があります。地域に対する意識を高め、自発的に地域への参加をすることで人と人がつながる活発なまちづくりをします。

会員拡大委員会 「俺たち」と共に

   必要のないものはなくなります。その中で、伊那JCは今年で57年目を迎えることができ、そこには先輩たちが築いてきた歴史があり、現在も情熱を持って地域や子供たちのために尽力している団体であるからです。JCは40歳で卒業となるので、新たな会員の入会が続かなければ地域のため、子供たちのために継続的な事業ができません。また、数は力と言いますが、志を同じくする多種多様な多くの人材による団体であるべきです。なぜなら、置かれた環境や性別、職業の違ったメンバー同士で議論をすることで、その時に適した事業を展開することができるからです。そして、会員が増えることで新しい出会いがあり、知らなかった価値観に触れることで互いに刺激しあい自己成長につながります。メンバー全員で会員拡大への意識を高く持ち、先輩たちが築き上げたこの伊那JCを未来へ継承します。

経済推進委員会 「俺たち」で地域を元気に

   伊那JCは伊那市、辰野町、箕輪町、南箕輪村からなる活動圏域の20歳から40歳までの青年経済人で組織されています。明るい豊かな社会を築き上げるためには、地域経済の発展について向き合うことが必要です。地域経済の将来を牽引するために、経済活動の中で1つの指標となる通貨とは何なのか、労働に対する対価とは何なのかといった価値について学ぶことが伊那JC圏域の経済的発展へとつながります。また、経済活動は人でつくられた企業や団体で行われます。組織論を学ぶことで、それぞれの所属する企業や団体や人に対して活躍するリーダーを創出します。伊那JC圏域にリーダーシップを発揮できる人が増えることで、地域経済の発展の一助とします。

おわりに

   人の悪い部分は目につきやすく見つけるのも簡単でつい悪口や愚痴が出てしまいますが、明るい豊かな社会を築き上げるために必要でしょうか。伊那JCメンバーには、色んな個性があり、良いところが沢山あり、1つになった時の力はとても強く、この地域に必要です。誰かがやってくれると誰もが思っていたら誰が行うのでしょうか。俺がやる、でもその頑張るリーダーをひとりにしない。「俺たち」でやる。そういった気持ちで、志を同じうする者、相集い力を合わせ、青年としての英知と勇気と情熱を持って伊那JCを未来へつなげます。