一般社団法人伊那青年会議所2026年度基本方針
Rebuild
伊那JCは1968年の創立から58年に渡り、明るい豊かな社会の実現に向けて、地域の課題に対して真摯に向き合い活動を展開してきました。しかしながら、昨今の技術革新や時代の流れによる急激な価値観の変化により、伊那JCもその存在意義やあり方を問われるようになりつつあります。価値観の多様化により、地域密着で経済活動をするのならJCに入会するのは当たり前という時代はとうの昔に過ぎ去り、JC活動やJCへ所属することの意義について、自問自答するメンバーも多いでしょう。一方で我々の暮らす伊那JC圏域も急激な変化とそれによる様々な課題が顕在化しています。地域の人口減少と担い手不足により、これまで行われてきた様々な地域の事業も、持続可能性への不安がいよいよ現実のものとなり始めています。また、気象条件の変化やインフラの老朽化により災害への不安は他人事ではありません。そして、情報通信技術の急激な進歩により様々な恩恵とともに弊害ともいえる問題が発生しています。このような時代の流れのなかで、今年度は伊那JCとして何のために活動をするのかという原点に立ち返り、踏襲すべきものは踏襲しつつも現状にそぐわないものについては整理し、より現代的な組織のあり方について模索し具現化させます。創立60周年を目前に控え、JC経験の少ないメンバーが多く経験豊富なメンバーの卒業を控えた伊那JCは岐路に立っています。人材を育成し仲間を増やすことで組織の力を更に強固にし、私たちの住む伊那JC圏域を今よりも住みよい街にしていく必要があります。
総務アカデミー委員会
伊那JCでは例会への参加が会員の義務として設定されています。例会にて各種セレモニーを行うことで伊那JC会員としての自覚と連帯感を高め、直接会って会話をすることで会員相互の親睦を深めることができます。また、懇親の機会に飲食をともにすることで、さらに親睦を深め地域への想いを語り合い、会社経営の困りごとや世代特有の悩みを共有し、相談する機会にもなりえます。年度の始まりの頃はモチベーションも高く、例会への出席者も多いのですが、日時が経つにつれ例会への出席率は低下しがちなのが現状です。例会運営に工夫を加え、義務として出席する例会から、厳かながらも参加することに楽しみを見いだせる、自発的に出席したくなる例会へ変化させることが必要です。また、入会歴の浅い会員に積極的に声をかけ、親睦を深める空気を醸成することで、メンバーの帰属意識を高め、組織への定着を図ります。例会は伊那JC全会員が関わる事業であり、出席連絡や委員会メンバーへの声がけを含め各委員会との連携を密にします。また、伊那JCでは積極的な会員拡大活動により、入会歴の浅い会員が多くの割合を占めています。フレッシュな会員が多いことから、入会後の目標やすべきことが分からずモチベーションを保てないことも多い状況です。アカデミー事業を通じて伊那JC会員のあるべき姿を新入会員に提示し、指針を示します。また、卒業するまでにJCで何ができるのか、展望を持って活動していけるよう導いていくことも同時に行います。これらの取り組みにより、伊那JC会員の組織への定着を図るとともに、組織のために自律した行動のできる JAYCEEを育成します。
青少年委員会
伊那JCでは地域の青少年の健全育成を掲げ、これまで多くの事業を展開してきました。伊那市主催のわんぱく広場への協力やキャンプなどの事業を通して心身両面から健全な成長をサポートしてきました。本年度もわんぱく広場への協力をはじめ、地域の青少年へ向けた事業を展開していきます。昨今、地域の青少年を取り巻く環境は急激な速度で変化しています。情報通信技術の発達により、小学生のうちからタブレット端末を使いこなし、余暇は動画サイトを楽しんだり、通話しながら対戦ゲームをする生活は、我々が子供だった頃とはまったく異なるものです。環境がここまで変化すると、現代の青少年の心のあり方は我々の想像を超えているといっても過言ではありません。技術の発展やそれに伴う生活環境の変化は基本的には好ましいものと考えていますが、急激すぎる変化は好ましくない影響も与えます。情報リテラシーを向上させ、SNSに代表される情報通信技術の恩恵を正しく活用できるよう、我々も一緒に学びながら導いていくことが必要です。また、伊那JC圏域では近年の移住促進政策の影響により、県外からの移住者が増えつつある状況です。教育移住として移住してくる人々も多くなってきており、我々が子供のころとは青少年の生活環境も著しく異なります。そのような環境だからこそ、伊那JC圏域の魅力について、改めて学び考えてもらうことが必要です。普段生活している地域について、長年の住民でも知らないことは多くあり、知らないままでいるとそのまま失われていく文化や魅力もあります。我々にとって日頃の生活の中では当たり前過ぎて見逃している事柄でも、移住促進や教育移住の観点から見れば新しい魅力を持った地域資源になりえます。現代の青少年について理解することと、私たちの地域を知ることを通して、心身ともに健全な青少年の育成を目指します。
地域共創委員会
JCを表現する際に、よく用いられるのが「地域のまちづくり団体」です。JCの活動の中でもまちづくり活動は非常に長く続けられ、時代の変化に合わせたまちづくりへの提言を行ってきました。本年度も引き続き伊那JC圏域が人々から選ばれる住みよい街となるために必要なことについて学び考えていきます。現代において、少子高齢化や人口流出を要因とした人口減少がいよいよ顕在化しつつあり、特に地方において大きな社会問題となっています。伊那JC圏域でも例外ではありません。圏域の自治体も手をこまねいているわけではなく、移住促進のための政策をとっており、そのために移住お試し住宅などのインフラ整備や、移住へのステップとなる諸制度を整え、関係人口を増やすための努力をしています。伊那市では令和6年度の移住者は過去最多の358人となり、社会動態も257人の増加と移住政策の効果が出てきています。しかしながらそのようにして徐々に増えつつある移住者の方と、コミュニケーションが取れているとは言い難い状況です。事業を通じて相互理解を深め、新しいまちづくりに向き合い協力体制を模索する必要があります。また、地球温暖化の進行により異常な気象状態が続いています。夏の暑さは過去経験したことのない水準に達しており、真夏でも朝晩は涼しかった伊那谷は過去のものになりつつあります。また、大規模な降雨災害や土砂災害の危険も増しています。伊那JC圏域は近年では人的災害こそ免れていますが、大雨による河川の堤防や護岸の破損などは何度も起きています。過去には三六災害といった大規模な洪水災害、土砂災害が起きており、自然災害は決して他人事ではありません。気象条件の変化による新たな自然災害への備えについて、知識を増やし対策を模索することが必要です。従前からの地域住民と移住者の間の関係性を深め、災害への備えや意識を整えることで災害に強い安心安全な共同体を目指し伊那JC圏域を住みよい街にします。
未来デザイン委員会
時代の流れや価値観の変化により全国的にJC会員、LOMともに減少し続けています。そのような時勢の中で伊那JCでは少しずつですが、会員を増やしつつあります。歴代の会員拡大委員会の方々の頑張りとシニアの先輩方のご協力のおかげで現在があり、伊那JCの雰囲気の良さが、会員拡大を支えています。しかしながら、現在の会員の年齢のボリュームゾーンは30代後半であり、今後5年間で40名近くの会員が卒業していきます。今年度も会員拡大活動に邁進し、現状維持に留まらずに、一人でも多くの仲間を増やすことに注力します。数は力という言葉を念頭に、今日の会員拡大活動が明日の活動の充実となることを心に留め、伊那JC会員全員で行う会員拡大活動を目指します。また、全国的な会員減少の傾向は、JCという組織そのものが時代にそぐわない、必要とされなくなったといえばそれまでですが、潜在的にJC会員になりうる人々に我々が行う活動や、活動の意義がまだまだ届けられていないことによるものでしょう。今年度は、会員拡大活動を行うとともに我々の活動の広報を兼任して行うことで事業展開の相乗効果を狙います。会員候補の方々に我々の活動を届けることとともに、日頃我々の活動を応援してくださるシニアの方々、伊那JC活動圏域の住民の方々に我々の活動内容について知ってもらうことで、伊那JCのファンを圏域内に増やし、会員になりうる方の情報を収集する、広報活動が明日の伊那JCを形作るような広報を模索します。新入会員の入会の際には、その情報を各委員会に効果的に引き継ぐようにし、明日の伊那JCを支えることのできる若い人材を充足させます。また、各委員会の事業立案、事業実施の際には会員拡大へつなげることを考慮させ、効果的な広報の方法について意見するとともに、情報伝達の点でも連携していきます。会員拡大と広報を通して地域との関係性を構築し、伊那JCの未来を創り上げます。
おまつり委員会
古来からおまつりは人々の生活に根差し、受け継がれてきました。今よりも不便で明日の生活の保障もなかったころから、人々の心の支えとなってきました。伊那JCでも以前より伊那まつりへの出展協力を行ってきており、ここ数年ではみのわ祭りや大芝イルミネーションフェスティバルへの出展協力を行ってきています。おまつりへの出展は活動としては大変盛り上がり、達成感や充実感を得られています。しかし、事業としておまつりへ出展しその対価が、達成感や充実感だけでいいのでしょうか。今年度はこの状況からさらに一歩進め、JC運動としてのおまつり参加を通して圏域の課題を解決し、地域をよりよいものにします。近年の社会情勢の変化により、開催自体はしても規模を縮小せざるを得ないなど、おまつりもその在り方を変えることを求められています。また、たとえ1日のおまつり開催だけでもゴミ処理の問題や環境負荷への対策、暑い時期の熱中症への対応など、考えるべき課題は山積しています。人口減少、生産年齢人口の減少に伴う担い手不足から、おまつりへの参加の持続可能性についても考えていかなければなりません。これらの問題に目を向けながら、地域の未来のために、持続可能なおまつり参加について考え、実行していくことが必要です。地域のおまつりに参加し地域を盛り上げ、自分たちも楽しみながらもより良い参加の仕方について考え模索していくのが、JC運動としてのおまつり参加といえるでしょう。おまつりへの参加を通して地域の課題を解決し、我々が子供の頃に楽しませてもらったおまつりを、未来の子供たちに残せるよう行動していきます。
おわりに
技術の発展や、環境の変化の激しさに伴うように、現代ではあらゆる価値観が揺らいでいます。今まで何の問題もなく行われてきたことが、激しいバッシングやスキャンダルの原因となる時代の流れのなかで、JCという組織そのものの存在意義も例外ではありません。伊那JCという組織がその存在意義を示すためには、これからも社会から必要とされることで、存在し続けていくことが必要です。そのためには、よき伝統は残しながらも、現代の価値観や考え方に合わせて活動内容や組織そのものを再構成し、社会に適応していく必要があります。また、時間の希少価値にも目を向け普段の活動でも徒に時間をかけず、しかしながら活動や事業そのものの密度を高め、より効果的で効率的な事業計画、事業運営をしていく必要があります。そして、今の伊那JC会員は入会歴の浅い会員が多く、経験の少ないまま理事をせざるを得ない状況が続いていますが、逆にこの状況をチャンスと捉え、会員の意識向上とレベルアップを図ることで組織力の底上げを図ります。メンバー全員の成長により組織全体の力を高め、目前に控えた創立60周年と、さらに先の未来へ向かって万全の体制で挑めるような1年とします。事業の運営についても、自分の担当領域だけでなく、伊那JCの活動全体に対して当事者意識を持ち、自分事として捉え行動できるようメンバーへの意識づけと仕組みづくりの両面からアプローチします。一方で、組織としてのあり方を変えたとしても、メンバー全員で一体となり事業をつくりあげていく、打ち込むことによる伊那JCの楽しさや達成感は不変のものです。伝統と革新を兼ね備え、活動の持続可能性についても担保しながら未来へ向かって飛躍する組織づくり、活動づくりを行うことで、我々の住む街を今よりも住みよい街にできるような伊那JCへ再構築します。